京都では今でも日常生活で「おおきに」を使う場面は多いです。
ありがとうの代わりに、「おおきに」。
「おおきに、ありがとう」とありがとうの二乗として使うこともあります。
この記事では、「おおきに」について、掘り下げています。
京都でありがとうは「おおきに」
母も祖母も京都人となると、生活の中でふつうに「おおきに〜」を使うことは、もはや日常です。
今は別々に住んでいる母とも挨拶がわりのように、電話でもしょっちゅう「おおきに〜」と言い合っています。
「ありがとう」よりも気取りがなくて庶民的な「おおきに〜」
わたしの大好きな言葉のひとつです。
おおきには、京都の庶民の普段使いの感謝を表す言葉です。
そやけど、わたしの娘世代(20代)では、「おおきに」はあまり使いませんね、残念ながら。
花街での「おおきに」はニュアンスが異なる、空気と余白を読んで!
一般市民の日常ではふつうに使う「おおきに」も祇園の舞妓さんや芸妓さんが使うとちょっと意味合いが違ってきます。
もともと京都には、ストレートな言い方を避けて、言いにくいことを遠回しに言う文化が根付いています。
人間関係の摩擦(まさつ)を避けるためのくらしの知恵なのですが、これがよそさんにはわかりくいらしく
ぶぶ漬けの誤解となってまことしやかにささやかれています。
「おおきに」も同じで、舞妓さんや芸妓さんはお客さんへの感謝としてこの言葉を使いますが
シチュエーションによっては、お誘いをお断りする場合にも「おおきに」を使います。
好みでないお方からお誘いを受けた場合
とりあえずはお誘いしてくれたことに対して「おおきに〜」
実際にイントネーションとか場の空気に触れないと説明が難しいのですが
続くことばが何であるかによって、「承諾」か「お断り」かが読めるというわけです。
おおきにの語源は?
おおきにの語源は「大いに」とか「大変な」など、ありがたさの度合いをを示す言葉からきています。
大変ありがとうございます。と言いますが
おおきに=大変 の部分だったのですね!
わたしも深く考えずに無意識で使っていましたが
心からありがとうと言うときは、
「おおきに、ありがとう」
「おおきに、ありがとうございます」
とおおきにの二乗していますから、そんな語源があったと知って合点がいきます。
「おおきに」京都と大阪の違いは?
大阪の友人は、京都のおおきによりもより商売っ気の強い「おおきに」を使います。
※友人は商売人ではありません。大阪人のDNAがサービス精神を発揮するのだと思われます。
大阪が商売の町やというのもベースにあるんやと思います。
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京都でも大阪でも「おおきに」は耳なじみのある接客用語。
これからも受け継がれてほしい上方(かみがた)ことばです。
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