神様も人間と同じように心があります。
荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)は神様の心の二面性のこと。
荒御魂と和御魂が同じ境内に祀られている神社として最も知られているのが、伊勢神宮です。
この記事では、荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)の違いと、両方を参拝することで授かれるご利益についてお知らせしています。
荒御魂とは?和御魂との違いについて解説
神道において神の霊(みたま)には、荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)の二つの面があります。
荒御魂は荒々しく破壊や浄化の力を持ち、建御雷神(たけみかづちのかみ)に代表されるように、世の中を切り開いていくエネルギーを持っています。
一方、和御魂は平和や繁栄をもたらす力を持ち、天照大神(あまてらすおおみかみ)の働きに見られます。
陰陽の関係にもなぞらえられるように対極的でありながら、互いに補い合う関係です。
荒御魂とは何か
和御魂とは何か
和御魂(にぎみたま)とは、日本の神道における神の霊(みたま)の穏やかで平和的な側面を指します。
荒御魂(あらみたま)が激しい力や戦いの象徴であるのに対し、和御魂は調和や慈愛、繁栄をもたらす働きを持っています。
神が人々に恵みや幸福を授けるときには、和御魂の力が働いていると考えられています。
たとえば、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)から出た後、世界に光が戻り平和が訪れたのは、和御魂の働きによるものとされています。
また、大国主命(おおくにぬしのみこと)は国造りや人々への恵みを与える神として、和御魂の象徴とされています。
このように和御魂は、人々の暮らしに安らぎや豊かさをもたらす存在なのです。
荒御魂と和御魂の違い
荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)は、神のもつ相反する内面です。
人間にも表の心、裏の心があるように、神も心や魂はひとつではなく陰陽の魂を持ちます。
どの神様も、荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)両方の魂を持っています。
どちらが良くてどちらが悪いということではなく、陰陽の両方で補い合いバランスをとっているのです。
スピリチュアルな視点から見る荒御魂と和御魂
スピリチュアルな観点では、荒御魂(あらみたま)は人生の試練や困難を乗り越えるための強いエネルギーとされています。
一方、和御魂(にぎみたま)は心の平穏や人間関係の調和をもたらす力と考えられています。
たとえば、困難を乗り越えた後に訪れる安定や幸福は、荒御魂と和御魂がバランスよく働いた結果といえます。
スピリチュアルの観点での位置づけ
スピリチュアル的には、荒御魂(あらみたま)は変化や試練をもたらし、魂の成長を促すエネルギーとされています。
人生で困難に直面したときは、荒御魂の力が働く局面となります。
大きな挫折を経験した後に精神的に強くなることは、荒御魂の影響といえるでしょう。
仕事で大きな失敗を経験した後に、自分の弱さに気づき、それを克服して成長するのも荒御魂の働きとされています。
一方、和御魂(にぎみたま)は心の安定や人間関係の調和をもたらす力とされています。
困難を乗り越えた後に訪れる平和や幸福は、和御魂の働きによるものです。
長年の努力が報われて穏やかな生活を手に入れたとき、和御魂のエネルギーが作用していると考えられます。
家族や友人との関係が円満になったり、努力が報われて心が満たされるのも和御魂の力によるものです。
長年の努力が実を結び、精神的な安定を感じるときに和御魂の影響を受けていると考えられます。
荒御魂が魂を鍛え、和御魂がその結果として安らぎを与えるというバランスが、人生の安定に影響を与えています。
みたまの概念
「みたま」とは、日本の神道における神の霊的な存在を指します。
神道では、神には人格や個性があり、それが「みたま」として表れると考えられています。
みたまには主に「荒御魂(あらみたま)」と「和御魂(にぎみたま)」の二つの側面があるとされています。
たとえば、建御雷神(たけみかづちのかみ)は、武神として知られ、戦いや勝負ごとに力を発揮する荒御魂の象徴とされています。
一方、天照大神(あまてらすおおみかみ)は、太陽の神として世界に光と平和をもたらす存在であり、和御魂の代表的な例です。
このように、みたまは神の力の現れであり、私たちの生活や自然の営みに大きな影響を与えているのです。
伊勢神宮における荒御魂と和御魂
伊勢神宮では、天照大神(あまてらすおおみかみ)の荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)が別々に祀られています。
内宮(ないくう)には和御魂が、荒祭宮(あらまつりのみや)には荒御魂が祀られ、平和と守護の両面が重視されています。
内宮と外宮の役割
伊勢神宮は「内宮(ないくう)」と「外宮(げくう)」に分かれており、それぞれ異なる役割を担っています。
内宮には天照大神(あまてらすおおみかみ)の和御魂(にぎみたま)が祀られており、国の安泰や人々の平和を願う場とされています。
五穀豊穣や家庭の安泰を祈るために、多くの参拝者が訪れます。
一方、外宮には豊受大神(とようけのおおかみ)が祀られており、食物や衣食住を司る神として知られています。
外宮では、神様への食事(神饌 しんせん)を供える「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」が毎日行われています。
このように、内宮は精神的な平和や繁栄を、外宮は日々の生活や物質的な恵みを支える役割を担っているのです。
多賀宮と荒祭宮の関連性
多賀宮(たかのみや)と荒祭宮(あらまつりのみや)は、伊勢神宮内で特別な関係を持つ神社です。
多賀宮は、外宮のすぐ近くに位置し、豊受大御神(とようけのおおみかみ)の荒御魂(あらみたま)を祀る神社として知られています。
多賀宮は、個人的な願いを叶えるために邪心やマイナスの心を取り除き浄化してくれる場所です。
荒祭宮は、天照大御神の荒御魂が祀られ、新しいことを始めたりことを起こすときに力を与えてくれる場所です。
太陽の神の穏やかな面とは裏腹に、爆発する太陽エネルギーのようにとてつもなく大きなエネルギーを与えてくれる場所。
多賀宮で浄化されたあとは必ず、セットで荒祭宮でエネルギーを受け取ることで願いが成就しやすくなるといわれるのはこのためです。
荒御魂、和御魂、参拝の順番
伊勢神宮での参拝では、荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)の参拝の順序を守ることが重要とされています。
外宮ではまず、和御魂が祀られている内宮(ないくう)をお参りし、その後荒御魂が祀られている多賀宮を参拝します。
内宮も同じで、まず和御魂が祀られている内宮(ないくう)へ進み、平和や安泰を願って参拝します。
その後、荒御魂が祀られている荒祭宮(あらまつりのみや)に参拝し、個人的なお願いを宣言する気持ちで祈りを捧げます。
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荒御魂と和御魂、両方をまつる全国の有名な神社は?
荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)概念は、伊勢神宮だけでなく、他の神社でも見られます。
京都の八坂神社では、スサノオノミコトの荒御魂と和御魂が同じ境内に祀られています。
本殿にスサノオノミコトの和御魂が祀られ、敷地内にある悪王子社(あくおうじしゃ)には荒御魂が祀られています。
本殿と悪王子社(あくおうじしゃ)両方を参拝することで、荒御魂が災厄を祓い、和御魂が平和と繁栄をもたらし、両方の神の力を授かると考えられています。
このように荒御魂と和御魂を別々に分けて祀る神社がある一方、荒御魂と和御魂がひとつの社殿に祀られている神社もあります。
伊勢神宮外宮の別宮である月夜見宮は、荒御魂と和御魂がひとつの社殿に一緒にまつられている全国でも珍しい神社です。
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荒御魂と和御魂は陰陽の関係にも似る
荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)は、陰陽の関係にも似ています。
荒御魂は陽のエネルギーで、力強さや積極的な行動を促します。
例えば、困難な状況で勇気を持って立ち向かう力を与えてくれる存在です。
挑戦や変化を求めるときに、荒御魂は心を奮い立たせ、前進する意欲を高めます。
一方、和御魂は陰のエネルギーを持ち、調和と安定を重んじます。
心が乱れた時に、和御魂の影響を受けることで冷静さを取り戻し、穏やかな気持ちを維持できます。
日常生活でバランスを保ちたい時や、人間関係の調和を求める時に和御魂の力が役立ちます。
このように、荒御魂と和御魂は、陰陽のように互いに補完し合い、個人の心に安定と力をもたらします。
伊勢神宮、荒御魂と和御魂の両方をお参りで心が調う
伊勢神宮に代表されるように、荒御魂と和御魂の両方をお祀りする神社では、かならずセットで参拝するのがセオリー。
エネルギーを最大限に受け取るもっとも最適な方法です。
これまで、伊勢神宮では個人的な願いをしてはいけないと理解していた人も、内宮の荒祭宮、外宮の多賀宮で、個人的なお願い(宣言)をしてもよいのだと、理解を上書きしていただけるとよいと思います。
ただし、個人的なお願いをしても良いといっても他力本願な願いは逆効果!
お願いのしかたにはルールがあります。くわしくは荒祭宮のご利益とは?伊勢神宮で願い事をしても良いのか徹底解説!に書いています。
伊勢神宮の内宮(正宮)は多くの人に知られ、訪れる際のメインスポットですが、荒祭宮は内宮ほど知名度が高くなく見逃されがちな存在です。しかし、荒祭宮は強力なパワーをもち、天照大御神の荒御魂(あらみたま)を祀る神聖な場所として、特別なご利[…]
最後まで読んでくれはって、ほんまにおおきに〜〜ありがとうございます!