「だんない」方言・京都弁|朝ドラでも使われる 意味と使い方 関西・大阪弁

朝ドラ「おちょやん」で千代がよく使っている言葉に「だんない」があります。

この記事では「だんない」の意味と使い方についてお伝えします。

「だんない」は大阪・京都の方言で、意味は「大丈夫」

「だんない」は大したことない、大丈夫、心配ない

といった意味になります。

使い方としては

ちゃぶ台の菓子箱を前に

父「このお菓子もろてもかまへんか?」(このお菓子、食べてもいいですか?)

娘「ちょっと固いかもしれへんけど(歯が悪い父を心配して)」

父「だんない、だんない(大丈夫や)」

こんなふうに使います。

「だんない」の語源は「大事ない」

「だんない」は「大事ない」からきています。

つまり、「大事」なことやない → 大したことない → 大丈夫や

言葉を省略して新語を作り出すのは今も盛んですが、ことばというものは昔からこういうふうに変化していったのですね!

朝ドラの「だんない」にひっかけたこんな前向きなチラシ!いいですね〜

「ワクチンはできた、あちもうちょとや」

京都でも「だんない」場面に応じてニュアンスがちょっと違う使い方もする!

京都でもだんないは同じように使います。

が、ちょっとニュアンスが違う使い方もします。

だんない=構わない、差し支えない

例えば、高齢の母に迎えに行こうかと声をかけたら

母「わざわざ来てもらわんでもだんないで(かまわないよ)!」

「だんない」の類義語「かまへん」

関西弁では「だんない」の類義語に「かまへん」(構わない・差し支えない)があります。

■例1  みんなで会食しているとき、注いであげたビールをこぼしてしまい

私「ごめん、こぼしてしもた〜」

母「かまへん、かまへん、よそいきやないし」(気にしてへんで、大丈夫や!)

 

■例2 離れて暮らしている母に、ごはんのお誘いをするとき

私「今度の週末、妹も誘って一緒にごはん食べへんか?」

母「かまへんでー」(予定OKやで)

「だんない」と「かまへん」の使い分けは?

「だんない」と「かまへん」は、似たような意味です。

使い分けは、世代による明らかな使い分けがあります。

「だんない」→ 70代以上の人

「かまへん」世代関係なく老若男女

つまり関西では、「だんない」は70代以上の人が使いますが、「かまへん」は小学生から高齢者まで使います。

高齢者は、「だんない」と「かまへん」をその場の雰囲気や、流れ、空気感で使い分けします。

 

今の時代、「だんない」に限らへんことですが、懐かしい方言を使う人は、わたしの母親世代70代以上まで年齢が上がってきています。

父も母も今でも「だんない」は日常的に使っています。

方言は文化です。

わたしも年齢を重ねるごとに、こういった方言を懐かしく思うようになってきました。

気持ちと一緒に温度まで伝えるようなあたたかい言葉を、大切にしていきたいと思っています。

珠緒
ことばを絶やさへんためにも「使う」ことが大事やと思います。
わたしたち世代はあまり使わへん「だんない」ですが、両親と会話するときくらい使ってみよかな。

最近ではLINEの方言スタンプなどもあります。

「だんない」あったかい言葉です、改めて良い言葉です!

 

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「だんない」あったかい言葉です、改めて良い言葉です!

最後まで読んでくれはって、ほんまにおおきに〜〜ありがとうございます!