春画 浮世絵にみる男女の性の明るさ・あけすけさ|エロくてすごい江戸の世界観!

戦国時代が終わり平和が長く続いた江戸時代は、町人の文化が花開いた時代でした。

代表的なものが浮世絵です。

浮世絵は本屋や貸本屋で販売、レンタルされ娯楽・教養を求める庶民に人気を博しました。

のちに歴史に名を残す浮世絵師が大勢活躍し、春画も多く出回りました。

人間の根幹の欲望である性を描いた春画には、エロチシズムだけではない人間模様が描かれています。

2015年、国内初の大規模な「SHUNGA 春画展」が東京永青文庫(えいせいぶんこ)で開催されました。

この記事では、春画展の模様も交えながら、春画にみる男女の性、営みについて考察しています。

春画展に行ってきた!【感想】

SHUNGA 春画展 2015 永青文庫
SHUNGA 春画展 2015 永青文庫

2015年、東京・永青文庫で開かれた国内初の大規模な春画展をリポートします。

※永青文庫とは、東京都文京区目白台にある旧熊本藩主細川家伝来の美術品を展示した美術館。理事長は18代当主の細川護熙元首相。

 

会場に足を踏み入れて驚いたのは、人、人、人の波。

まるで通勤ラッシュのようにぎっしりの入館者であふれかえっていました。

人の波をかきわけ、進むと、広がっていたのは、明るく突き抜けたエロチシズムの世界。

卑猥とかエッチというよりも、生の喜び、性の悦びが伝わってきます。

みな恥ずかしげもなく、堂々と浮世絵の世界に没入しています。

江戸時代は長く平和な時代が続きました。

性に関しても、人々の大らかさ、あっけらかんと性を楽しむ自由な時代だったんだなぁ。

人間の根源の欲求、性を描いた春画は、健康的で、性をあたりまえのものとして肯定的に描いていると感じました。

男女の交合とは隠すものではなく、ごく当然の男女の営みのひとつであると、思わされました。

 

その健康的なイメージはどこから来るのか?

わたしが考えるに、江戸時代の風俗、たとえば湯上りや夕涼みのシーンとからめてごく自然に性行為が描かれているからでは。

風俗の中にある性。

日常の中に当たり前にある性。

男女の営みを特別なものと考えず、くらしの一部として切り取っているから、エロティックさよりも健康的で好ましいものとして感じられるのでは、と考えます。

エロさよりも、まっとうな性の営みが全面に出ていて、気恥ずかしさを意外なほど感じませんでした。

江戸春画の世界観がすごい!

SHUNGA 春画展 2015 永青文庫
SHUNGA 春画展 2015 永青文庫  手鏡に写る女性の足先、部分を切り取ることで想像力がふくらむ!この反り返り、このポーズ!

平和な時代が長く続いた江戸時代は、庶民も文化を楽しむ余裕がありました。

性を堂々と楽しんでいた江戸の平和な空気感が全体から感じられる展示でした。

江戸時代の春画が描く世界観は、健康的な面だけではありません。

男女がともに対等、平等に描かれている点にも注目です。

江戸時代は、春画をレンタルしたり購入するのは、男性でけではありませんでした。

女性も男性と同じように春画をレンタルして眺め、楽しんでいました。

 

現代ですと、女性の裸体やグラビアが載るのは男性雑誌と相場が決まっていますが、江戸時代は男女とも春画を楽しんでいたのです。

だからなのか、春画は男性目線ではなくわりと俯瞰した目線で描かれているのが特徴です。

そのため鑑賞者は行為の細部をリアルに観るのではなく、大局的な視点から全体をとらえて観ることができます。

 

現代では、男性がポルノ雑誌を見るのは興奮を得るためという目的がひとつありますよね。

しかし、春画には興奮を得るとかよりも、見て楽しむ、文化を楽しむ、そんな要素が強いのです。

 

構図も大胆でありながら開放的です。

こそこそ隠れてする秘め事というよりは、どうぞ見てください、ご覧ください。

そんなあけすけさが、春画の根底に流れる健康さにつながっているのでは、と思います。

春画で描かれる後家(未亡人)艶っぽい!エロさがたまらない!

そんなおおらかさが感じられる春画ですが、中には艶っぽいエロさがたまらないものもありました。

後家、未亡人、現代ではとんと耳にしなくなったことばですが、夫の葬式をすませ未亡人となった後家が葬式帰りに若い男と逢引きをする一枚。

タイトルが思い出せないのですが、紗幕の向こうで繰り広げられる男女の営みを、静かに描いています。

夫を亡くした葬式帰りの未亡人が、男と交わる。

夫を亡くした、葬式帰り、若い男。

ゾクゾクしたキーワードが並びます!

喪服に身を包んだ後家、黒をまとった女性ってどうしてあんなに色っぽいんでしょう。

黒は温度をもたない色だから、その人の内面を映し出します。

夫を亡くした悲しみを癒すため、若い男に抱かれる。

亡き夫への後ろめたさを引きずりつつも、今、このときを、生を悦びたい。

悲しみを乗り越えるため、私にはこれが必要、女のしたたかさも垣間見える一枚でした。

珠緒
イケナイことをしている感がすごく伝わり、声まで漏れ聞こえてきそうでした!

驚きの描写!

春画に描かれる性器にも驚きました。

男性器は、超ビッグに。女性器も生々しく、それでいて花びらのように繊細に。

細部の描き方が緻密です。

陰毛の1本1本にまで、魂を込めて描いている。

体の大きさに対して性器の部分が誇張されて大きく描かれています。

対比がおもしろいと感じました。

 

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