節分の頃になると、豆まきの豆とお多福と鬼のお面をセットにしたものを見かけるようになります。
節分ではなぜお多福が用いられるのでしょうか。
この記事では、節分のお多福がいつから始まったのか、節分でおたふくが登場する意味についてお伝えします。
お多福のご利益とは?
お多福は、福福しい笑顔で福を招く顔として、江戸時代には庶民の間で人気でした。
節分には鬼に対して福を呼び込む縁起物として使われます。
おたふくのご利益は、厄を落として福を呼び込むことです。
ふくふくしいお顔、笑顔が人々の心をま〜るくして、和やかにさせると考えられていました。
笑う角には福来るといいます。
笑顔でいると、良いことが起こります。
お多福を福の神に見立てて、「鬼は外〜福は内〜」のかけ声で豆まきをする風習は室町時代にはすでに行われていて
江戸時代には今のかたちになりました。
おたふくとおかめは違うの?
お多福とおかめ、どちらもしもぶくれの福福しい顔立ちですが、それぞれにモデルがいるといわれ、もとになったお話が違います。
おかめといえば、福々しい(ふくぶくしい)下ぶくれ(しもぶくれ)のお面です。関東に本社のある納豆のキャラクターにもなっていますね。おかめとよく似たお面におたふくがあります。おかめとおたふくは何がどう違うのでしょうか?[…]
おたふくはお福さんが玉の輿に乗って幸せになったお話からきています。
おかめは、内助の功で夫のピンチを救った渾身的な妻のお話がもとになっています。
おかめは狂言面がもとになっている説もあります。
どちらにしても、昔の日本女性の典型的美人とされる顔ですから、似ているのはあたりまえなのかもしれません。
平安時代の女性の美人顔といえば、しもぶくれで目が細い顔立ちが美人とされていました。
時代とともに、美の基準も変わりますね。
豆まきの意味は?
節分に豆まきをするのは、邪気を払うためといわれています。
豆まきの風習は室町時代にはすでにあったと考えられています。
江戸時代の浮世絵師葛飾北斎も北斎漫画の中に豆まきの絵を残しています。
鬼を災難や病気に見立て、鬼に向かって豆を投げることで、安泰な毎日を願いました。
狂言でも節分にちなんだ演目がある
狂言の演目では節分にちなんだものに『節分』と『福の神』があります。
650年以上も前に書かれた狂言の演目『福の神』
旧暦では節分は年末の行事でした。
冬が終わって新年を迎える季節の分かれめが節分でした。
福の神が登場し、福を授けるかわりにお酒をねだるお話です。
ここに登場する福の神は人間味のある神様です。
狂言では、人間の弱い部分をおもしろおかしく描く芸能ですが、神様までもがおちゃめに描かれて親近感が持てますね。
狂言はくすっと笑えるユーモアを交えた喜劇、人間が豊かに生きていく上で大事なことを教えてくれます。
最後は笑い留めという縁起の良い演出でおしまいとなります。
機会があれば一度鑑賞されるとよいと思います。
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【終了】2021年の節分は2月2日、例年より1日早いのは124年ぶりのこと!
ふつう節分は、2月3日で、この日にま豆まきをします。
2021年の節分は、ちょっと珍しいことが起きていました。
毎年より1日早い2月2日だったのです!
地球が太陽を回る周期と暦のずれにより2021年は、2月2日が節分、2月3日が立春でした。
2025年には再び、2月2日が節分の日になります。
4年に一度めぐってくるうるう年で、45分が増やし過ぎになるため、さらに細かい調整を加えるのだとか。
時間が増えたり、減ったりとなんとも不思議ですが、次は2025年、2月2日に豆まきをしましょう!
現代に生きるわたしたちも、節分という春を迎える節目に、心の鬼を排除して笑顔で福を招き入れ豊かな毎日を過ごしたいものです。
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