リーダーシップとは?ステキな具体例 VS 部下を潰す残念なリーダー【心得・素質・行動力】

リーダーはなぜ自分が偉いと勘違いしてしまうのでしょうか?

リーダーシップとは、肩書きや権力ではありません。

ましてや社長の指図どおりに人を動かすことでもありません。

 

真にリーダーシップがある人は、部下が仕事をしやすいように環境を整え、任せて見守ります。

この記事では、リーダーシップを勘違いしている上司と、リーダーシップを発揮するためのスキルについてお伝えします。

リーダーシップとは何か?

リーダーシップとは、指導者としての能力のことです。

目標を共有し、向かう方向性を示し、部下が働きやすい環境を整える。

そして任せて見守る。

 

ベストセラー小説で映画化もされた『海賊と呼ばれた男』は出光興産を創業した出光佐三がモデルです。

その出光興産、現社長の木藤俊一(きとうしゅんいち)さんは、リーダーの役割をこのように話しています。

大きな方向性を決め、部下を信頼して仕事を任せ、最後は責任を取る。これがリーダーの役目だと思っています。中でも「任せる」が難しく、つい口を出したくなるのだけど、それでは人は育たないし、指示される方は嫌ですよね。

※出典 読売新聞 特集『LEADERS 経営者に聞く』 2022.6.21

 

このようにリーダーには、部下を育てる責務があります。

リーダーがあれこれ指図(さしず)してリーダーの思いどおりに人を動かすのではなく、

部下の自発性とアイデアを見守り育てるのが、リーダーの役目です。

 

リーダーとは、全体を見る鳥の目と、細部を見る虫の目の両方が必要です。

偉ぶってはだめ、一歩引いて任せてみる。

間違った方向にいきそうなときには軌道修正する。

リーダーとはいわば、スポーツにおきかえるなら監督と似ています。

 

リーダーの条件とは、

人間的にも魅力があり、信頼があつく、この人にならついていきたいと思える熱量や統率力を持っている人。

人間性と人格がリーダーにとって大切な条件です。

リーダーシップは時代とともに変わる

理想のリーダーは時代とともに変わってきました。

戦後の高度成長期からバブル景気がはじけるまでは、がんばれば報われる時代でした。

そんな時代には、俺についてこい的な統率力のある強いリーダーが求められていました。

しかし、バブル崩壊後の失われた時代、理想のリーダー像は変化しました。

長引く景気低迷の時代に求められるリーダーシップは「共感」です。

リーダーシップを勘違いしている上司は部下を潰す!

リーダーシップを勘違いしている上司は今でも、頭の中がバブル前のままのかもしれません。

おもしろいように儲かったあの頃のままでいるのかもしれません。

 

社長をはじめとする管理職の肩書きは、地位ではなく「ポスト」「役割」です。

リーダー(上司)とプレイヤー(実務担当)は車の両輪の関係です。

リーダーが方向性を示して適切な指示を出し、プレイヤーは実務をこなす。

両者がうまく機能して会社という組織は回ります。

 

リーダーシップを勘違いしている上司は、リーダーであることが偉いと勘違いしています。

肩書きは単なる「役割」にしか過ぎないのにもかかわらず。

 

威張らないリーダーが支持されるワケ!世界の山ちゃん社長の山本久美さん奥さんから経営者へ!については、こちらに詳しくまとめています↓

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チューリップ

 

ダメ出しは社員のためにやっている。

リーダーシップを勘違いしているリーダーは、社員が成長するためにはダメ出しが必要だ、と勘違いしています。

でも実際、ダメ出しが多いと社員が萎縮して新しい挑戦に慎重になってしまい、モチベーションやパフォーマンスが下がってしまいます。

ダメ出しすることはリーダーの役目ではありません。

むしろ、挑戦させてみてうまくいかなかったとき、何が失敗だったかを自分で考えさせるようにサポートできるのが、真のリーダーだと思います。

リーダーの素質がある人とは?

では、部下からもしたわれ、ついていきたいと思われるリーダーになるには、どんなスキルが必要なのでしょうか?

リーダーシップを発揮するための素質を考えてみます。

共感力

新しいプロジェクトを立ち上げようとしていたらまず、いいねと肯定してあげる。

人は共感されると、やる気を出します。

肯定して背中を押してあげる、応援してあげる。

そんなスタンスもリーダーシップの示し方です。

観察力

部下や進捗を観察して、問題が発生していないか。困りごとはないか、注意深く見る。

そのためにも、現場に顔を出し、部下とコミュニケーションをとる。

気づき

観察する中で、気づいた「気づき」を洗い出す。

無駄な作業はないか、もっと違うやり方がないか?

気づきを改善していく。

コミュニケーション能力

人の話をよく聞く「聞き上手」である。

そして、伝える力があること。

一方的でなく、双方向のコミュニケーションをとるように心がける。

良好な人間関係を築こうとする姿勢を見せる。

上から目線はだめ。

寄り添う態度で。

判断力

たとえばトラブルが発生したとして、スピード感をもって最善策が出せる。

手本となる

部下の手本となるような行動や言動を示す。

行動力

部下は上司の背中を見てついてきます。

口で言うよりも、行動力で示す。

監督力

全体を見る目、総合的に判断する能力。

スポーツでいえば監督する力を持っている人。

 

リーダーシップとは人を編集することである!

リーダーシップとは、部下が自発的に動き、パフォーマンスを上げてくれるように環境を整えることです。

適材適所の人員配置、誰をどこに配置すれば、求めるパフォーマンスを出してくれるか。

マネージメントの視点で、プレイヤー(部下)のやりがいを喚起(かんき)させ会社全体の生産性を伸ばすことです。

リーダーシップとは、人を編集することでもあります。

どの部署に誰を配置すれば、人と人とが化学反応を起こして最良のパフォーマンスを発揮してくれるか。

それを見出し、土台を整え、全体を調整管理するのがリーダーの役割です。

成功者がトイレ掃除をする理由は?

成功者がトイレ掃除をするのは、松下電器を創業した松下幸之助さんの逸話(いつわ)で有名です。

部下はリーダーの背中を見ています。

行動で示すことで、部下の信頼を得て自発性を伸ばすのです。


リーダーもここまでやっているのだからとリーダーの行動を認め、自分もがんばろう!と自発的に動くようになります。

部下はリーダーの背中を見ています。

陰日向(かげひなた)となって、人の嫌がることを率先してやるリーダーの姿を、部下はしっかり見ています。

そんなリーダーの姿に、信頼・責任・重責の大きさを見て取り、自分の責任を新たにするのです。

 

リーダーのあるべき姿に感動!口先だけでなく行動するステキなリーダー!

手羽先から揚げでチェーン展開する「世界の山ちゃん」。

創業者の山本重雄さんが急逝(きゅうせい)したのが2016年。

夫が一代で築いた会社を継いだ妻の山本久美さんは、専業主婦からのまさかの転身でした。

取引先からも、社長に就くのはあなたしかいない、と説得され引き受けたといいます。

 

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今まで社長の奥様でしたが、前社長の方針で会社経営にはまったく関わってきませんでした。

なので社員たちとも面識がなかったのです。

夫が急逝したから、明日から社長の座に、そう簡単にはいきませんでした。

 

山本久美さんは、「歳を食った新入社員のつもりで接してくださいと」と、従業員に言ったといいます。

なんという腰の低さでしょう!

上に立つ者は偉ぶるな。山本久美さんの態度が示していると思います。

 

山本久美さんが大事にしているルールとは

  • 上に立つ人は威張らない
  • リーダーは毎朝、社員と同じ時間に出勤して掃除をする
  • 社員に感謝する

リーダーを尊敬していない部下がリーダーについてくるはずはありませせん。

行動で示すリーダー、すてきです!

リーダーの心得を見事に説いた名言!

部下は上司の背中を見てついていきます。

リーダーの心得を説いた名言をご紹介しましょう。

渋沢栄一の名言

日本資本主義の父・渋沢栄一は、480もの企業の創立に関わりながらも、自らが社長を務めた企業はひとつもありません。

渋沢栄一のリーダーシップとは、人に気持ちよく仕事をしてもらう環境を整えて、任せることでした。

 

自分が立とうと思ったら、まず人を立たせて

事業が軌道に乗るまでは責任を持って打ち込み、あとは見込んだ人物に任せて見守りました。

そうして次々に、郵便・銀行・保険・電気・ガス・製紙・印刷・鉄道・流通・宿泊など、現在へと続く企業を立ち上げたのです。

自分の功績よりも、社会や人の役に立つことを実現したいという思いが、そうさせたのでしょう。

身寄りのない子どもや社会的弱者にもあたたかなまなざしを注ぎ、今でいう児童養護施設を私財で作りました。

女性の社会的な役割も重要視し、外国の要人をもてなす役目を任せるなど、活躍できる場を与えました。

渋沢栄一は、リーダーでありながらも縁の下の力持ちに徹し、人を活躍させるのがうまかったのです。

NHK大河ドラマ『青天を衝け』で吉沢亮さんが演じた栄一が見せる使命感と正義感は、胸がすく思いがします。

真のリーダーのひとつの姿だと思います。

日本資本主義の父・渋沢栄一の言葉をまとめた100年読み継がれるロングセラーはこちら

山本五十六(やまもといそろく)の名言

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。

 

海軍軍人だった山本五十六(やまもといそろく)の名言です。

人材育成に携わる人なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

リーダーが自ら行動してやってみせて、手本を見せると説かれています。

口先だけの上司は部下も信用しませんし、しらけてしまいます。

上から目線では人が動きません。

まず上司が行動で示し、実際にやらせてみて、認めてあげる。

人を動かすには、相手を認めコミュニケーションをとり信頼関係を築いていくことが大切です。

リーダーの素質は人間性!リーダーシップがかっこよすぎる映画!

こんなトップのもとで働きたい!

社員を大切にし、社員と同じ目線でものごとを見れる経営者。

映画『海賊と呼ばれた男』の国岡鐡造(くにおかてつぞう)は正義感と情、情熱をバランスよくもった経営者のかがみです。

わたしは、国岡鐡造(くにおかてつぞう)の人柄に惚れ込みました!

映画では、国岡鐡造(くにおかてつぞう)を岡田准一さんが堂々と演じています。

 

こんなリーダーのもとで働きたい!そう思わせてくれる映画をご紹介!リーダーの素質とは人間性だ、と思わせてくれた映画です。

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こんなトップのもとで働きたい!そう思わせてくれる映画が『海賊と呼ばれた男』。会社は社会を豊かにする組織と定義し、社員と固い信頼関係を築き大きな功績を成し遂げた男。映画『海賊と呼ばれた男』の国岡鐡造(くにおかてつぞう)[…]

タンカー

 

戦後すぐの時代が描かれているので、現在とは価値観が異なる部分もありますが、人間性の根幹は今も昔もそんなに変わることはないと思っています。

誠実な人柄がにじみ出ている、わたしの中で理想のリーダーです。

 

最後まで読んでくれはって、ほんまにおおきに〜〜ありがとうございます!