紅白幕 横縞 縦縞の歴史・意味|青白幕との違いや黒白幕の由来

卒業式や入学式の際、体育館のまわりにぐるりと張られる紅白幕。

張り巡らすといつもの体育館が一気に祝賀ムードになりますよね。

場の雰囲気が一変します。

この記事では紅白幕の意味や歴史、黒や青の幕についてもお伝えします。

紅白幕にはどんな意味がある?

卒業式の紅白幕
卒業式の紅白幕

紅白饅頭、紅白歌合戦、紅白かまぼこなど、日本には紅白を縁起の良い色とする風習があります。

紅白

日本における「紅白」のルーツは源平合戦とされている。源氏が白旗を、平氏が紅旗を掲げて戦った際に用いられた配色であり、対照的な色合いでもあることから、日本において、伝統的に対抗する配色として用いられるようになった。ただし、紅白のルーツについては他の説も存在する。

※フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用

紅白の歴史は、源平合戦までさかのぼるのですね!

そういえば、日本の国旗も紅白の配色です。

水引きも紅白です。

小学校の頃体育の授業ではリバーシブルの紅白帽をかぶりました。あれも紅白でしたね。

紅と白は遠くから見ても、見分けがつきやすく、区別しやすいということで昔から使われてきたことがわかります。

 

色の対比を用いる組み合わせは、「赤白」の他にも、「赤青」赤鉛筆・青鉛筆、「白黒」白星・黒星などがあります。

赤と白は対になる基本の色のうちのひとつの組み合わせです。

紅白幕の由来は?

卒業式の紅白幕
卒業式の紅白幕

では、紅白幕はいつ頃から使われてきたのでしょうか?

歴史は意外と浅く、昭和初期ごろからだといわれています。

戦後、入学式や卒業式、結婚式などお祝いのシーンが増えてきたことで、発案されました。

体育館に紅白幕を張り巡らすと、体育館がよそいきに変わります。

一気に祝賀ムードになります。

 

子どもの頃、小学校・中学校の卒業式、張り巡らされていた体育館の紅白幕。

意識せずとも色の持つ力が、いつもと違う厳粛な雰囲気を醸し出していました。

そんな思い出は、誰しも記憶の隅にあるのではないでしょうか。

紅白幕と青白幕との違いは?黒白幕は?

紅白幕の他に、青と白の青白幕もあります。

主に神事のときに使われる幕で、地鎮祭で祝詞(のりと)を上げる周りだけ、青白幕で囲う使い方をします。

他には、竣工式のときなどにも青白幕を使う地域もあります。

竣工式の青白幕、清々しい青が気持ちよい!
竣工式の青白幕、清々しい青が気持ちよい!

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黒と白の幕、黒白幕は、通夜や葬儀のときに使われます。

黒白幕は鯨幕(くじらまく)ともいい、鯨の背中(黒)とお腹(白)の2色からこの呼び名があります。

もともとは黒は高貴な色で、皇室行事でも昔から黒白幕が使われており、現在でも皇室行事や出雲大社の大祭では黒白幕が使われます。

古来より日本の弔いの色は、白でした。

明治になって西洋文化が入ってきて、黒が弔事の色になったのです。

そんな歴史背景から、葬儀社が黒白幕を葬儀の際に使うようになりました。

色の意味も歴史とともに変わるのですね!

紅白幕、青白幕、黒白幕(鯨幕)の違い

紅白幕青白幕黒白幕
用途入学式・卒業式・祭り  慶事地鎮祭・竣工式 神事通夜・葬儀  皇室行事
歴史昭和初期から使われ始め、普及したのは戦後 意外と浅い神聖な神事で使われることが多いが、地域によっては卒業式でも使われる。卒業式の厳粛なムードをかもしだすため。明治に西洋文化が入ってきて黒が弔事(ちょうじ)の色になった
意味日本では古来より紅白の組み合わせは、縁起の良い色とする風習があった青は神事とつながりの深い色黒は古来より高貴な色

皇室行事では今でも黒白幕(鯨幕)が使われる

別名浅黄幕(あさぎまく)水色よりも濃い青色鯨幕(くじらまく)鯨の背中(黒)とお腹(白)の2色からこの呼び名がある

紅白幕の横縞幕にはどんな意味がある?

横縞の紅白幕  渋沢栄一の邸宅で外国の要人を日本舞踊でもてなすシーン ※出典 NHK『青天を衝け』
横縞の紅白幕  渋沢栄一の邸宅で外国の要人を日本舞踊でもてなすシーン ※出典 NHK『青天を衝け』

紅白の横縞の幕が、NHK大河ドラマ『青天を衝け』に登場していました。

海外のお客様を渋沢栄一の邸宅でもてなすシーンで、庭での舞や殺陣シーンの背景にかかげられいました。

横縞の紅白幕  渋沢栄一の邸宅で外国の要人を侍の殺陣でもてなすシーン ※出典 NHK『青天を衝け』
横縞の紅白幕  渋沢栄一の邸宅で外国の要人を侍の殺陣でもてなすシーン ※出典 NHK『青天を衝け』

 

横縞の紅白幕にはどんな意味があるのか調べてみました。

 

紅白幕の横縞の柄は、段幕(だんまく)といわれています。

段々になっていることから名付けられているようです。

縞(しま)が5段になっていることが多いので、五段幕ともいわれるそうです。

昔は、お祭りや婚礼の際などにかけられたそうですが、今では目にする機会が少なくなったようです。

わたしも一度も見た記憶がありません。

 

NHK大河ドラマ『青天を衝け』の時代は、明治の初期なので、

今でも目にすることの多い縦縞の紅白幕が昭和の初めごろから一般に使われるようになった歴史を考えると、横縞の紅白幕はそれより以前の古いかたちのようです。

ドラマに出てきた紅白幕は、六段でした。

 

では、縦縞の紅白幕との違いは何?

どちらもおめでたい紅白を染め抜いているということで、お祝いごとの場合に使うのは共通です。

 

縦縞の紅白幕は、戦後になってから普及したことをみると、横縞のほうが歴史が古く、その後縦縞の紅白幕が登場したと考えられます。

横縞の紅白幕は、歌舞伎の始まりのシーンなどでも使われます。

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