手紙の書き出しによく使う「私たちもおかげさまでつつがなく暮らしております」の「つつがなく」はつつが虫から派生したことばです。
そのつつが虫病、今でも年間300〜500人が発症しているという。
この記事では、つつがなくのもととなったつつが虫とつつがなくについてお伝えします。
つつが虫を知ったのは家庭の医学!ダニの一種
今から20年以上も前、子どもが幼かった頃、居間の本棚にある『家庭の医学』を読んでいたときのことでした。
その中に「つつがむしに刺されたとき」という緊急事態の対処について挿絵(さしえ)入りで書かれた項目があり
「つつがむしってどんな虫?」と私にたずねてきたのです。
彼女は小さい頃から、活字とあらば何でも読んでしまう活字中毒で、『家庭の医学』をめくることは幼少の頃からの暇つぶしとしていました。
つつが虫とつつがなくの関係は?辞書を引いてみた
つつがむしについてたずねられたわたしは、とっさに「つつがなく」という言葉を連想しました。
「つつがなく」と「つつがむし」は何か関係がありそうだという期待を抱いて辞書を引くと、こう出ていました。
「つつが」の見出しの中に両方とも収まっており、
「つつがない」 ふだんと変わりが・ない(なく、じょうぶだ)。[ツツガムシの害からまぬがれる意から]
「つつがむし」 ダニの一種。幼虫はノネズミなどに寄生し、つつがむし病を媒介する。
※出典:『三省堂国語辞典』
つつが虫とつつがなくの関係までは載っていないが、少なくとも「つつがなく暮らす」ということは「つつが虫にさされないこと」であることはわかりました。
つつが虫の害をまぬがれることが「つつがない」暮らし
「つつが」とは平安時代の昔から、人に悪さをする妖怪として恐れられていました。
つつがにとりつかれると、「つつがむし病」という感染症にかかり、死に至る病でした。
妖怪の正体が、つつがむし(=ダニの一種)だと判明したのは、近年になってからのことです。
なので、ダニに「つつがむし」と名前をつけたのは、後付けなのです。
医学も科学も発展していなかった昔の時代。
現代のように衛生面も行き届かなかったむかし、目に見えないダニが人の血を吸って感染症を発症し、人々に広がっていく。
恐ろしかったことでしょう!
目に見えない妖怪に脅かされない(おびやかされない)くらしがつつがない暮らしです。
つつが虫は家庭の医学が教えてくれた!
私もこれから、あえてこの「つつがなく」を使ってみたくなりました。
親しい友人には、その由来も同時に語りたくなってしまいます。
それにしても、病気やケガのみならず
ことばの意味を『家庭の医学』をきっかけに知ることができた今回の件は、
どんなものからもその気さえあれば学ぶことができると思わせた出来事でした。
つつが虫病にかからないために大事なこと!
結論として、つつがなく暮らせるよう、つつが虫には注意しましょう。
対策として、登山やハイキング、キャンプなどで、野山に出かけるときは、長袖長ズボン、帽子にマスクなど肌の露出を避ける服装でいきましょう。
放映中の朝ドラ「おかえりモネ」でも森林組合で働くモネが作業服で森に入るシーンがあります。
あのような服装がお手本です。
最後まで読んでくれはって、ほんまにおおきに〜〜ありがとうございます!