退職を決意したとき、クリアしなけらばならない関門は、会社にいつどう伝えるか、でしょう。
切り出し方、タイミング、気まずい雰囲気になったらどうしよう・・・
神経をつかいますよね。
会社ともめずにスムーズに辞めたい、と多くの人は望むでしょう。
しかし、円満退社なんて本来、無理なんです。
それでも見かけ上は円満に辞める方法はあります!
この記事では円満退職の定義と、見かけ上円満退職するコツとメリットについて書いています。
そもそも双方が納得する「円満退社」なんて無理、ありえない
従業員と雇用主(会社)は、ウィンウィンの関係であるのが理想です。
従業員は自分のスキルと時間を会社に売って、報酬(給料)をもらう。
会社は従業員のスキルをお金で買うことで事業が発展する。
それが理想的な図式です。
しかし、雇用条件や仕事内容、営業成績や会社への貢献度などにお互いが不満を持っているとき、利害が一致しない状況になります。
こうなったとき、従業員は退職の道を探り始めます。
会社を辞めるということは、辞める人(従業員)が、会社や仕事内容などに何らかの不満や限界を感じているからです。
会社を辞めるときは必ず、理由があります。
人は何かなければ辞めません。
結婚、引っ越しに伴う退職や、定年でない限り、従業員に途中で辞められたら会社にとって損失です。
やめることを、会社は裏切りだと感じます。
一方辞める側は、一日も早く辞めたい、有給も消化してから辞めたいと考えますが、ブラック企業ではほぼ不可能です。
会社は「お金をかけて育てたのに」
辞めるほうは「この会社でできることはすべてやった。次の会社でスキルアップしたい」
利害が相反するのです。
円満退社は無理、百歩譲って大人の事情
退職、退社とは、いうならば離婚のようなものです。
この会社なら私のやりたいことができると意気揚々と入社したのに、仕事の限界を感じやりがいを見失った。
お互いの利害関係が一致しなくなって、目指す方向にズレが出てきた。
これからはお互いに、別の道を歩いていきましょう。
大人の事情で別れを告げる。
腹(はら)に思うことはいろいろあっても、表向きはぐっとのみこんで最終日まで淡々と残務をこなします。
円満退社とは、花束を贈られて「今までお世話になりました。私は新しい道を歩いていきます」とあいさつし、会社の人たちに送り出される。
そのイメージはあながち間違いではありません。
でも、実際は腹(はら)のうちを隠して、最終出勤日を迎えるのです。
波風立てず、去り際美しく、の美学を胸に。
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円満退社とは、会社ともめたりせず、引き継ぎを滞りなく行い、会社を辞めることです。
円満という表現に、笑顔で感謝してさようならのイメージがつきまといますが、それは建前であって心の中は不満が渦巻いていようがかまいません。
思うことは色々あっても、それを口に出さず、誰にも言わず、退社の日まで粛々と引き継ぎを進めます。
結果的に、最終出勤日に、すんなり辞めることができれば「円満退社」です。
つまり円満退社とは、多少の不満は腹に収め、波風立てず会社を辞めることです。
そこには大人の事情がかくされています。
円満退社するために大切なこと
円満退社しようとしたら、相手(会社)を気づかう気持ちと計画性が大事です。
自分の都合だけではいけません。
会社の繁忙期や決算月を避ける、プロジェクトが終了するなどのタイミングを見計らいます。
退職日は、辞めたい時期から逆算して会社都合も考慮して計画しましょう。
- 誰に話す?:直属の上司 同僚に相談などしてはいけない におわしてもいけない
- 切り出すタイミング:少なくとも3か月前 業務終了後 上司と1対1で 事前に折り入って話がある旨、伝えておく
- いつ:会社の繁忙期を避ける
- 理由:新しい分野の仕事に挑戦したくなった など自分都合でポジティブな理由
円満退社は無理でも嘘を着くのはあり?
大人は本音と建前を使い分けて、世の中を渡り歩きます。
退職、退社の場合もこれは同じで、正直に理由を述べなければならない決まりはありません。
それどころか、辞めるということは、事情や理由があってのこと。
ネガティブな理由や会社に非がある理由を述べないよう気をつけましょう。
- もっと大企業でスピード感を持って仕事がしたい
- 部署にソリの合わない人がいる(退職理由の上位を占める人間関係ですが、上司に伝えるのはNG)
- 給料、待遇に納得できない
辞める原因が自分にあるとアピールします、あくまで自己都合の退職であると。
- 以前から興味のあった〇〇の仕事をやってみたい
- 違う分野で自分の力を試したい
- 家族の介護のため
要は、言い方、伝え方が大事です。
言いたいことをストレートに言うのではなく、オブラートに包んで、会社のせいではなく自分の都合でやめさせていただくのだと伝えます。
これまでお世話になった会社に感謝の気持ちを持ちつつ、ここで一区切りつけて新たな道に挑戦したい、のだと。
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相手を傷つけない上手な嘘なら、大人の事情でつくのはありだと思います。
ただし、見えすいた嘘をつくのはあとあと面倒なことになったり、つじつまが合わなくなったりして困ることになりかねませんので、注意してください。
本当の退職理由を問いただされたら
退職者が続いているような場合、会社としては建前ではなく本当の理由を知って改善したいと考えるでしょう。
直属の上司に表向きの退職理由を告げても、食い下がられるかもしれません。
人の口に戸は立てられません。
一人に話すと、会社中に広がることを覚悟しなくてはなりません。
それでも、本当の理由を話せる環境ならば、思い切って話してみるのも方法です。
ここで大事なことは、信用できるいちばんのトップに話すことです。
わたしの経験談です。
表向きの退職理由を直属の上司に伝えた翌日、上層部の方と面談の機会を得て、理由を問いただされました。
この人になら話しても大丈夫、という確信で、正直に打ち明けました。
わたしの退職理由は、パワハラまがいの指導で精神的に追い詰められたことでした。
わたしのことを気にかけてくださった上層部の方には、今でも感謝しています。
円満退社のメリット
円満退社は、自分も会社も傷つけず、会社を去ることができます。
たとえ、小さな不満は持っていたとしても、会社を辞めるまで爆発させることなくぐっとこらえ、最終出勤日まで粛々と業務をこなしましょう。
円満退社するメリットは以下です。
- 人物評価に傷がつかない
- さっさと辞められる
- 立つ鳥跡を濁さずの美学を体現できる
- 後腐れが残らない
- 精神的に傷つかない
- 次のスタートに響かない
ごちゃごちゃもめずにさっさと辞めたいときは見かけ上の円満退社が会社を抜け出すもっとも近道です。
しかしどうしても自分から退職を切り出せない。
退職を切り出すことを考えるだけで胃が痛くなる!
育ててもらった恩を仇で返すなんて噛みつかれそうで怖い。
もう明日から出社もしたくない!
そんな追い詰められた事情を抱えているなら、退職に関する手続きを退職代行にお願いするのも、ひとつの方法だと思います。
思い返せばわたしの場合、実際、退職を告げたあとの上司の態度は手のひらを返したようにつめたいものでした。
退職の日を迎えるまで、人間らしい感情はいったん他の場所においておき
心をニュートラルにして感情を抑え、粛々と事務的に残務をこなし、やり過ごしました。
退職を告げたあとの針のむしろのような日々は、メンタル的に結構キツいものがあります。
もし、そのときに退職代行を知っていたら、メンタルとお金を天秤にかけ、お金をかけてでも使ったかもしれません。
退職代行はできれば使いたくない。常識ある社会人ならそう思う人が大多数だと思います。でも、辞めたくても辞められない、大人の事情を抱えている人にとって、自分が壊れないためにはやむを得ない場合もあるでしょう。私が経験した退職のリアルは、退職を告げた後の数か月、針のむしろのような日々を過ごしたことです。退職を切り出す勇気よりも、その後が怖かった!
あなたの円満退社を応援しています。
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最後まで読んでくれはって、ほんまにおおきに〜〜ありがとうございます!