散楽(さんがく)って何?
聞いたことはあるけど、具体的には?そんな疑問をお持ちでしょう。
散楽(さんがく)とは奈良時代に中国から伝わった曲芸や踊りを含む芸能の総称です。
散楽(さんがく)は、庶民の気楽な楽しみでしたが、こんにちの能狂言のもとになっています。
この散楽がどのようにして今日の能狂言などの伝統芸能につながっていったのでしょうか。
平安時代の庶民の娯楽が、どのような歴史を刻み、現代に受け継がれているのか、解説します。
散楽とはどんな芸能?起源は?
散楽(さんがく)とは奈良時代に大陸から伝わった芸能です。
ものまねや寸劇、曲芸、皿回しなども含むカバーする範囲の広い、複合的な芸能でした。
お笑いや風刺の要素も含んでおり平安時代、庶民の間に広まりました。
街中や寺など人が集まる場所で上演されていたのです。
演じているのは農民や庶民など身分の低い人々で、見る者も庶民。
貴族には、散楽は低俗な芸能だと一段低く見られていました。
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NHK大河ドラマ『光る君へ』で、散楽のシーンが何度か出てきて、興味深く見ています。
演じる一座は質素な身なりでも、芸に対する熱量は高く、魂を込めて演じています。
ときに感情を込めすぎて、あわや衝突!なんて場面もスリリングで楽しめます。
動きが激しく、アクロバット的な立ち回りも見もの!
散楽と猿楽の違いは?
大陸から伝わった散楽(さんがく)は、日本独自のアレンジを付け加えながら次第に猿楽(さるがく)とよばれるようになっていきます。
さんがく → さるがく となまったとの説もあります。
大陸から取り入れた散楽(さんがく)に日本独自のオリジナリティを足して、猿楽に変化していきました。
散楽(さんがく)と猿楽(さるがく)の違いは、明確には区別されず、呼び名の違いくらいの差
しかし、このあと、猿楽から、今に続く能狂言の型が分かれ、能楽として大成するのです。
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散楽は平安時代の芸能!
NHK大河ドラマ『光る君へ』でも描かれていますが、散楽は平安時代の芸能です。
一座は巡業で各地を周り、新しい演目を上演するためにネタ集めをして脚本を書き稽古もします。
おそらく散楽だけでは食べていけないので、本職である農業や商いをしつつ、一座で集まって稽古もしてというような生活だったのでしょう。
庶民も次の上演を楽しみにして、日々の生業(なりわい)に勤しむ(いそしむ)のでした。
散楽と狂言の違いは?
中国から入ってきた散楽(さんがく)に日本独自のオリジナリティをプラスして猿楽(さるがく)に変化していきます。
さらに、猿楽(さるがく)の中でも、お笑いやものまねなど、笑いの要素をもつものが「狂言」として次第に分化していきます。
家来(けらい)と主人という労使関係が題材となる今にいたる狂言へと進化していきました。
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散楽と能の違いは?
散楽(さんがく)の舞や歌の要素に、日本古来の田楽(でんがく)など、神事の際に舞う舞や祈りのことばなどが融合して、能へと形づくられていきました。
日本に散楽(さんがく)が伝わった平安時代より400年以上もあとの室町時代、観阿弥(かんあみ)が今に続いている「能」の原型をつくりました。
能に優美な舞を取り入れて、庶民の娯楽だった猿楽(さるがく)を一段高い高尚な芸能へとランクアップさせたのです。
さらに観阿弥(かんあみ)の息子である世阿弥(ぜあみ)が、能に幽玄な世界を取り入れて、夢幻能(むげんのう=あの世のものたちや神が出てくる能)を完成させました。
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