山深い五箇山は、交通の便が悪く、長いあいだ簡単には訪れることができない秘境でした。
今でこそ東海北陸自動車道の開通で、金沢や富山からも近くなりました。
それでも、五箇山には今でも秘境の雰囲気が残されています。
この記事では、そんな五箇山に奈良時代から伝わる神社、白山宮(はくさんぐう)についてお伝えします。
世界遺産五箇山にある白山宮は高い杉木立に囲まれ神聖な空気が流れる神社

白山宮の境内には天に向かってまっすぐに伸びる杉の大木がたくさんあります。
いったい樹齢なん百年かというような大木です。

すがすがしい空気が満ちています。
白山宮におまつりされている神様は、白山菊理媛命(しらやまくくりひめのみこと)です。
参道にも杉が鎮座しています。珍しいですね。

世界遺産五箇山 白山宮鞘堂は室町時代の創建
ご神体は白山宮鞘堂(はくさんぐうさやどう)の建物の中に安置されていて、33年に一度ご開帳(外に出しておひろめすること)されます。
2019年にご開帳されたので、次のご開帳は2052年ということになるのでしょうか。

白山宮鞘堂は、室町時代に建てらてた茅葺きの建物です。
素朴でおもむきがあります。

白山宮のお守りは、性善説にもとづいた販売方法!
白山宮は普段神主さんが常駐していませんので、お守りの販売は無人販売となっています。
そう、野菜の無人販売のように、「代金は箱の中へ」形式なんです。
お金は引き戸のお盆の中に入れるのです。

神様の前でやましい心を起こす人なんていません。
そういった性善説にもとづいて設置されているお守りの無人授与。初めてみました、こんなの。
わたしも「縁結びお守り」を授けていただき、1000円をお盆に置いてきました。

世界遺産・五箇山の民謡こきりこ節、洗練されたメロディーに驚き!
越中富山の民謡といえば、こきりこ節です。
日本でいちばん古いともいわれている民謡で、猿楽(さるがく)の流れを組む優雅で洗練された民謡です。
ささらという道具でシャンシャンとリズムをとるのですが、小気味よいひびきがなんとも心地よいのです。

春と秋のお祭りではこのこきりこ節が披露されます。
写真左の男性が手に持っているのが、「ささら」。
世界遺産五箇山に伝わる民謡、こきりこ節は、哀愁を帯びたメロディーの中にゆったりとした優雅さもあわせもち、
民謡でありながら土着臭くなく、どこか都(みやこ)の面影(おもかげ)さえ感じさせます。
民謡・こきりこ節には不思議なことがもうひとつ。
女性はお顔を見せているのに、ささらを鳴らす男性はかぶりものでお顔を隠しているのです。
なんだか謎めいていて、理由を探りたくなりますね!
白山宮の前を通っている道路には、こきりこで使うささらのかたちのモニュメントがありました。
わたし、こういうの好きです、昭和の人間なので!

世界遺産五箇山 秘境感たっぷりのパワースポット

富山県にある五箇山は、これぞザ・秘境の雰囲気が味わえるスポットです。
茅葺(かやぶき)の三角屋根の住宅は、江戸時代から現在まで、現役で活躍している地元の方々のすまいです。
まるでむかしばなしの世界に入り込んだようです。
すぐ近くには、五箇山の豪商、村上家や流刑小屋(るけいごや)もあります。
こちらでご紹介しています。
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最後まで読んでくれはって、ほんまにおおきに〜〜ありがとうございます!