日本一大きな湖・琵琶湖(びわこ)に浮かぶ竹生島(ちくぶしま)。
奈良時代から神々がすむ信仰の島として、人々の信仰を集めてきました。
能(のう)の演目にも「竹生島」を題材にした「竹生島」があります。
一方、竹生島には悲劇の伝説が伝えられています。
戦国時代、豊臣秀吉が天下を取れるかどうかの戦いで、琵琶湖周辺で戦(いくさ)が起こりました。
このとき大勢の武士たちが斬られ、琵琶湖に沈んだのです。
この記事では、竹生島が怖いと言われる理由と、竹生島の見どころと魅力をおつたえします。
竹生島が怖いと言われる理由 悲劇と伝説
竹生島の周辺には、古戦場があり、戦いで敗れた武士たちが琵琶湖に沈んでいるという伝説があります。
明智光秀が本能寺の変で織田信長を討ったあとまもなく、明智光秀は豊臣秀吉に討たれました。
実質天下をとった豊臣秀吉は、織田家の家臣の柴田勝家を抑えこもうとしました。
豊臣秀吉と柴田勝家は、琵琶湖の北の余呉湖(琵琶湖とは続いているが、名称が別についている)で戦いが勃発しました。
賤ヶ岳(しずがたけ)の合戦です。
このとき、琵琶湖(余呉湖)は斬られた武士の地で赤く染まったといわれています。
琵琶湖は湖のため海のように水が入れ替わりません。
斬られた侍たちは湖の底で眠りにつき、なきがらは天候や風の具合によって湖を回遊するともいわれています。
奈良時代から信仰の島とされてきた竹生島に、戦国時代の悲しい歴史が伝わっています。
竹生島は島全体がパワースポット、スピリチュアル好きなら一度は行きたい場所!
竹生島はそんな悲しい歴史の側面もありますが、奈良時代から信仰の島として今も変わらず人気のパワースポットとなっています。
竹生島(ちくぶしま)は、奥琵琶湖(おくびわこ:琵琶湖の北のほうという意味)にぽっかり浮かぶ小さな島です。
ご神体は島そのもの。
島の土、木々、水、緑すべてに神が宿るという考えです。
それだけでもすごいパワーがいただけそうなのに、この小さな島にはなんと、お寺と神社がそれぞれ1つずつあるのです。
神社やお寺は急な階段を登った先にあり、起伏にとんだ地形は、ちょっとしたスピリチュアルツアーのようでもあります。
急な階段をのぼりきった先には、キラキラ輝く湖面、琵琶湖からの風が心地よく吹き抜けます。
日本一大きな湖、水量豊かな琵琶湖のパワーを存分に感じられますよ!
琵琶湖の神秘的な色や木々をわたる風から、偉大なるなにかを感じます。
パワースポットとは、土や水や風といった自然を心地よく味わえる場所なんだと、わたしは思っています。
竹生島へは船でしか行けないので、それもまた非日常であり、パワースポット感が高まります。
竹生島の宝厳寺は密教のお寺、弁財天と千手観音をまつる
お寺は、西国三十三所の三十番札所である宝厳寺(ほうごんじ)。
真言宗の寺で、弁財天と千手観音をまつっています。
宝厳寺(ほうごんじ)の千手観音は60年に一度しか開帳(一般公開)されない秘仏です。
次回の公開は、2037年です。
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もちろん、わたしが訪れたときも拝むことはできませんでした。
ここ、宝厳寺(ほうごんじ)は、密教のお寺なので、メラメラと怒り(いかり)の炎につつまれた不動明王(ふどうみょうおう)さまもいました。
燃えさかる炎(ほのお)が目を引きます。
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緑深い中に立つ宝厳寺をぜひ訪れてみてくださいね。
竹生島神社は4柱の神様をまつり、スピリチュアルが満載!
神社のほうは、竹生島神社。
竹生島神社には、四柱(はしら)の神様がまつられています。
ご神体は島そのものです。
4柱(はしら)の神様が力を合わせて、願いごとをかなえてくれるといわれています。
仕事運アップにご利益があるともいわれています。
仕事運をアップさせたい。転職してもっとやりがいのある仕事につきたい。収入を増やしたい。仕事に対する悩みや願望を抱えているなら、パワースポットに出かけて運気をチャージしてははいかがでしょうか。この記事では、仕事[…]
竹生島でかわらけ投げをして運だめし
竹生島(ちくぶしま)に行ったら、ぜひしてほしいのが「かわらけ投げ」。
かわらけ(素焼きの土器)に名前とお願いごとを書いて、眼下にみえる竹生島神社の鳥居めがけて投げます。
神社の鳥居を越えたら、願いごとがかなうといわれています。
実のところ、鳥居は見た以上に遠くにあり、そう簡単には越えません。
わたしもやってみましたが、越えませんでした。
越えなくても、願いごとがかないますようにと投げることで、すっきりしますよ!
ぜひおためしくださいね〜
能の演目「竹生島(ちくぶしま)」弁財天・龍神が祈る
竹生島は風光明媚(ふうこうめいび)なところなので、能の演目にもなっています。
能の演目では神様と関連のある場所が舞台になることが多く、それはそのままその場所がパワースポットであることを示しています。
能の演目「竹生島」のあらすじと見どころをお伝えします。
とあるお役人が竹生島の弁財天に参拝するため、漁夫に竹生島(ちくぶしま)まで舟を出してほしいと願い出ました。
漁夫は連れの女とともに、お役人を竹生島まで舟に乗せました。
お役人は竹生島にわたる舟の上から琵琶湖の景色を楽しみます。
さて、竹生島に到着しました。
すると、舟をこいでいた漁師は波間に消えてしまいます。
女は、寺の中に姿を消しました。
後半では、弁財天(べんざいてん:芸事や美の神様)が舞を舞い、海からは龍神(りゅうじん:水の神様)が現れ、人々の願いがかなうように祈願成就(きがんじょうじゅ)と国土安寧(こくどあんねい)を祈りました。
弁財天と龍神は、お役人を竹生島に渡してくれた漁夫と女だったというお話です。
弁財天の優雅な舞が見ものです。
「竹生島」には、弁財天と龍神の二人の神様が出てくるとてもありがたくおめでたい演目です。
能のストーリーには悲劇ものが多いなか、「竹生島」は悲劇の要素がまったくない、おめでたくハッピーになれるストーリーです。
能はよくわからないという人でも、雰囲気を楽しんでいただければと思います。
竹生島に行くときの服装とお天気など
竹生島は琵琶湖の北に位置していて、地形の関係上、お天気が変わりやすく秋口はにわか雨が降りやすくなります。
折りたたみ傘を持っていくと安心です。
竹生島神社や宝厳寺にのぼる階段がとても急なので、ぺったんこ靴が歩きやすいです。
竹生島への行き方は船で、ミニクルーズ気分を楽しんで!
竹生島(ちくぶしま)にわたる船は3か所から出ています。
長浜港・・・JR「長浜駅」から徒歩10分
今津港・・・JR「近江今津駅」から徒歩5分
彦根港・・・JR「彦根駅」からタクシーで10分
最後まで読んでくれはって、ほんまにおおきに〜〜ありがとうございます!