【千手観音のご利益と手の数の意味】有名な京都のお寺は?手の数が多いのはスピリチュアル?

千手観音は千本の手を持つ観音様です。

手の数がやたらと多い異形の観音様には、どんな意味があるのでしょうか。

手の数は本当に1,000本あるのでしょうか。

この記事では、千手観音の手の数や意味、一度は見ておくべき千手観音があるお寺についてお知らせします。

千手観音の手の数は千本ある?省略形の40本って??

珠緒
千手観音の手は、ほんまに千本あるん?

はい、その名のとおり千本の手を持つ像があります。

千本の手を持つ意味:過去・現在・未来のご利益を授けてくださる

現在だけでなく、過去も未来もカバーしてくださるなんて、最強ではありませんか!!

千本の手を持つ千手観音さまは、それだけ強力なパワーを授けてくださるのです。

 

一方、千本の手を持たない千手観音像もあります。

どういうことかというと

1本の手25の救い

40本の手で1,000の救い  40×25=1,000

 

珠緒
えっ?それって省略ってこと??
省略かどうかは別としても
1,000本の手をもる完璧な千手観音像をつくるよりも先に、より多くの人々を救うために簡略化しても千手観音像を作ることが先だったのではないでしょうか。
では、40本の手を持つ千手観音さまのご利益とは?
40本の手の意味:現在のご利益を授けてくださる
ああ、なるほど、ご利益は現在に限られるのですね!
珠緒
激しく納得!!
たとえは適切ちがうかもしれへんけど、手間ひまかけた工芸品と、工業製品の違いと考えたら納得できるわ

千本の手を持つ千手観音が見られるお寺!

名前のとおり1,000本の手を持つ千手観音像は、全国にも数体しかありません。
自称千手観音フェチなわたしがおすすめするのは、奈良・唐招提寺千手観音さま。
伏目がちの半開きの目元、やさしいお顔立ちで、すっくとたっていらっしゃいます。
立像(りつぞう:立っている像)です。
もう10年も前に訪ねたとき、夕ぐれの光の中で、やさしく語りかけてくださるお姿に励まされました。
気品があり、今にも目をあけてわたしを見てくださるようたたずまいに、時が経つのも忘れて見入ってしまったことを思い出します。
慈悲に満ちたやさしいお顔を見て涙があふれ、会いに来れてよかったとしみじみ感じ入ったものです。
大阪・葛井寺(ふじいでら)千手観音さまも有名です。
西国三十三所第5番札所としても有名です。
こちらは坐像(ざぞう:座っている像)です。
わたしはまだお会いしたことがないのですが、母が20年ほど前にお会いしてその荘厳さに驚いたと言っていました。
実際に千本の手は、すごいボリュームと存在感をもって、語りかけてくださいます。
千本の手をもつ千手観音さまに一度はお会いしてみてください。

観音とはどんな階級?

観音様というと、仏様のように考えがちですが、いえいえ、観音様はまだ修行中の身なのです。

観音様は、如来(にょらい:仏様の最高ランク)になるために修行しています。

観音様の立ち位置は、人間以上、仏様以下といったらわかりやすいでしょうか。

まだ自分も目標達成(=如来になる)していないにもかかわらず、修行中の身でありながら人々を救ってくださるやさしいお心を持っておられます。

 

珠緒
なんと慈悲(じひ)深い観音様でしょう!

観音様は、自分のことだけでなく、人のことも思いやれるやさしいお心を持っているのですね。

わたしも日々家族や友人に接するとき、観音様のようなお心を持ちたいものだと思います。

千手観音(せんじゅかんのん)はなぜあのような姿をしているのか?

密教をご存じでしょうか?

密教とは、仏教のウラの教えともいわれていて、ひとことでいうならば仏教の哲学のようなものです。

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密教は、人間の真理(しんり:生きていく意味、正しい道)を追究(ついきゅう)する修行であり学問です。

 

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千手観音

密教の修行は肉体の限界にいどむ厳しい修行で、修行僧たちは修行の中で異形(いぎょう)の仏様に出会ったりすることもあるようです。

もちろん、精神世界での話です。

 

千手観音に手が千本あるのも、密教の修行僧が見た(想像した)観音様の姿を表しています。

修行僧は密教の厳しい修行の中で、人間の欲望と願い、救われたいという思いを壮大で異形な千手観音の姿にうつして見たのです。

千手観音が大集合、圧巻の京都の有名なお寺は三十三間堂

京都には千手観音が一堂に会するお寺があります。

ご存じの方も多い三十三間堂です。

千体の千手観音がずらりと並ぶ姿は圧巻!

息をのみます!

身震いします!

一体一体お顔も、立ち姿も微妙にことなり、身内や知り合い、大切な人に似たお顔が必ずあるという千体の千手観音。

 

わたしは以前、三十三間堂を訪れたとき、千体の千手観音さまの中から母に似た千手観音様を見つけました。

それはそれは不思議な感覚で、千手観音様と母の顔が重なるような、精神世界にもっていかれたような心地でした。

時間の経つのも忘れれ見入っていました。

 

中央にはひときわ大きな、千手観音の坐像(ざぞう:座っている像)があります。

奈良東大寺の阿吽の像(あうんのぞう)を彫った運慶(うんけい)の子、湛慶(たんけい)の作です。

 

他にも三十三間堂には密教の仏像が勢揃いしています。

興味のある人にはたまらなく濃い世界が曼荼羅(まんだら)のように広がっています。

千手観音の持ち物の意味とご利益とは?

千手観音さまの手にはさまざまな持ち物を持っています。

持ち物を持物(じもつ)といい、一つひとつに意味とご利益があります。

一例をご紹介します。

千手観音の持物(じもつ)と功徳(くどく)※一例
持物(じもつ)よみかた功徳(ご利益)
1髑髏どくろ頭痛を治す
2合掌がっしょう人にしたわれる
3宝経ほうきょう学問を得る
4宝印ほういん話術がたくみになる
5宝珠ほうじゅ財宝を得る
6宝鏡ほうきょう知恵を開く

 

 

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最後まで読んでくれはって、ほんまにおおきに〜〜ありがとうございます!