金沢には3つの茶屋街があります。
テレビやメディアでよく取り上げられるのは、ひがし茶屋街。
道の両側に紅殻格子(べんがらごうし)の町家が建ち並び、観光のお客さんが多く訪れる茶屋街です。
一方、メディアにほとんど取り上げられないのですが、独特の雰囲気があるのが主計町茶屋街(かずえまちちゃやがい)です。
この記事では、主計町茶屋街と路地裏にあるあかり坂、暗がり坂の魅力をお伝えします。
金沢観光穴場スポット!主計町茶屋街は観光地化されていないのが魅力!
金沢にある3つの茶屋街の中でも観光地化されていなくて穴場なのが、主計町茶屋街です。
浅野川に沿って茶屋が軒を連ね、他の茶屋街にはない風情があります。
すれ違うのがやっとの細い路地、入り組んだ路地裏には独特の世界が広がっています。
しっとりとした情緒漂う大人のまちといった空気が流れています。
観光のお客さまや若い人もほとんど見かけることもなく、どことなく踏み込んではいけない世界のよう。
つやめく大人のまちです。
わたしがはじめて訪れたのは今から10年以上も前
夜風を受けながら散策したとき、三味線の音色が聞こえてきてドキドキしたのを思い返します。
金沢観光穴場スポット!あかり坂と暗がり坂、異世界への入り口、大人の世界
路地裏ではときに思いも書けない風景に出会ったりするものです。
主計町茶屋街(かずえまちちゃやがい)を訪れたならぜひ、路地裏を歩いてみてください。
あかり坂は金沢とゆかりの深い小説家・五木寛之さんが、小説に登場させて名づけた坂です。
車の乗り入れできない狭い路地、高低差のある土地にお茶屋や町家が軒を並べていて、坂が茶屋街と上の世界とをつないでいます。
この坂はもともと、主計町茶屋街で働く芸妓さんたちが仕事に向かうためにおりていく坂でした。
独特の地形と、「あかり坂」というネーミングセンス。
金沢という土地がもつ秘密っぽい感じがたまりませんね〜
一方、暗がり坂
こちらも金沢らしい、しっとりしたオトナの事情感がたまらないネーミングですなぁ。
命名は、かの文豪(ぶんごう) 泉鏡花(いずみきょうか)です。
あ、泉鏡花さんは男性ですよ〜
なんでも、むかし、主計町茶屋街に通う旦那衆(だんなしゅう)は、この坂をおりてなじみのお茶屋に通ったんだとか。
暗がりにそろりと階段をおりていく商家の男たちの後ろ姿が想像されます。
主計町茶屋街で宿泊できるの?もとお茶屋の木津屋旅館で!
風情ある主計町茶屋街には宿泊できる旅館があります。
木津屋旅館です。
元お茶屋さんだったのを、今は旅館として生まれ変わらせました。
素泊まりが基本です。
一定数以上の人数で泊まりの場合は、金沢らしい「朱壁(しゅかべ)」の部屋をとってくれるようです。
わたしは残念ながら朱壁の部屋ではなかったのですが
清潔であたたかく、気持ちのよいお宿です。
主計町茶屋街でお茶屋遊びを楽しみたい、そんなときは?
一度はお茶屋さんで芸妓遊びをしてみたい
そう考えてはる人もいるでしょう。
金沢の茶屋文化には(京都も同じやと思いますが)一見さんお断りのしきたりがあります。
なので、なじみの人に連れていってもらうしかお茶屋の敷居をまたぐ方法はありません。
お茶屋さんの廃業や継承問題を抱えている現在でもまだ、一見さんお断りのしきたりは残っているのですね。
芸とお酒がからむ大人のお遊びは、信用第一ということですね。
金沢観光穴場スポット!お茶屋「志摩」で大人の休日
それでも、お茶屋の雰囲気だけ味わってみたい、どんな建物でお部屋はどうなっているのか。
そんな人はひがし茶屋街にある「志摩」がおすすめです。
江戸時代に建てられたお茶屋の建物がそのまま保存されていて、見学できるようになっています。
お茶屋遊びとは、ドンチャン騒ぎの宴会ではなく、社会的地位のある旦那衆たちの大人の社交です。
もてなす方ももてなされる方もお互いに心を通わせ、演出やしつらいを鑑賞して愛でるのです。
旦那衆たちも芸を磨き、教養を身につけて、品格の高い遊びが繰り広げられます。
ほの暗い室内に入ると
金沢独特の赤いベンガラの壁「朱壁(しゅかべ)」のお座敷もあります。
「朱壁」とは、加賀百万石前田家のお殿さまが、粋好みだったようで、昔高価だったベンガラを取り寄せて壁に塗らせたそうですよ!
つややかで、色めき、今でも斬新(ざんしん)な色味ですね。
あ、「朱』というくらいですから、赤よりも上品で落ち着ける色味ですよ。
「志摩」には、和菓子とお抹茶で一服できるお茶席もあります。
お作法とか知らなくても気軽に利用できるイス席で、お庭をながめながら一息つけますよ。
最後まで読んでくれはって、ほんまにおおきに〜〜ありがとうございます!