狂言「二人大名(ふたりだいみょう)」のあらすじと見どころ

狂言は人間味あふれるユーモア満載の、楽しく鑑賞できる伝統芸能です。

狂言を見慣れていない人でも、ことばはわりと聞き取ることができますので、心配することはありませんよ。

狂言「二人大名(ふたりだいみょう)」のあらすじとみどころをご紹介します。

狂言「二人大名(ふたりだいみょう)」のあらすじ

大名が二人で京都へ遊びに行きます。

あいにく、今日は家来がみな休みのため、しかたなくお供なしで出かけます。

行く道で、通りがかりの男を家来にしようと相談しながら都に向かいました。

 

ちょうど男を見つけ、刀でおどし、無理やり刀を持たせ家来になるよう命令します。

しかし、男は大名たちの上から目線の態度に反撃!

手にした刀をふりかざし、脇差(わきざし:脇に刺している小さい刀)や着ている着物まで脱がせて奪います。

 

なかなかこの道ゆきの男、やりますわいな。

かしこい人です。

はじめから、刀など持ったこともないなどと謙遜(けんそん)していましたが、もしも刀を持つことができたら、という計算が瞬時に働いたのかもしれません。

 

それから、道ゆきの男は、大名たちをさらに責めます。

鶏の鳴き真似をさせたり、はやり歌を歌わせたりさせます。

はじめはいやいややっていた大名もそのうちおもしろくなってきて、ノリノリに。

 

男はそのスキに、奪った刀や着物をかかえてそそくさと逃げます。

気づいた大名が男を「やるまいぞ、やるまいぞ〜」と追い込んで幕内へと。

狂言「二人大名」の大名はおっちょこちょいでお調子者?

狂言「二人大名」に出てくる大名のいちばんの失敗は、最初に男にやすやすと刀を持たせてしまったことでしょう。

まさか男が、反撃してくるとは思わなかったのでしょうね!

人を疑ったり、危険を予測しないで刀を持たせてしまったところに、大名のおおらかな人柄がにじみ出ています。

大名が2人もいながら、作戦が甘かったともいえますね。

何とおちょこちょいな大名でしょうか。

 

しかも大名たち、モノマネを楽しんでしまうとは、なかなかのお調子者ですね!

こんな場面でも楽しんでしまえるというのは、心のゆとりが感じられます。

時代のおおらかな空気感までただよってきます。

狂言「二人大名(ふたりだいみょう)」のみどころ

狂言のみどころのひとつは、主人が使用人にギャフンと言わせられるところです。

この「二人大名(ふたりだいみょう)」も、大名と一般人の男では、大名が地位が上です。

大名は男にやっつけられますから、権力が逆転します。

 

権力の反転は、見ている人をスカッとさせます

映画やドラマでも弱いものが勝つと、スカーッとしますよね。

あれと同じです。

 

大名たちは、モノマネがおもしろくなって楽しんでしまいます。

猿楽(さるがく)の流れをくむ狂言では、このようなおおらかな笑いが特徴です。

大名たちも立場を忘れて楽しんでしまうところが、人間らしくて好感がもてます。

 

「二人大名(ふたりだいみょう)」をもし現代の事件に置き換えたとすると、人が血を流したりする場面も出てくるのでしょう。

しかし、狂言は、嫌悪やうらみの感情に笑いをまぶして、人間味あふれる喜劇に仕立てます。

人間とは本来悪いものではない

救いがある

そんな後味(あとあじ)が残るのが狂言の楽しみのひとつです。

 

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最後まで読んでくれはって、ほんまにおおきに〜〜ありがとうございます!